昨日の私をこえていく

「昨日の私より、1時間前、1分前、1秒前、そんな私より、もっといい自分になりたい!」 by キュアドリーム

新版 5手詰ハンドブック

 今回は詰将棋の本の紹介なのですが、その前に今話題の三浦九段のことを。

 スマホの将棋ソフトでのカンニング疑惑により、挑戦者に決まっていた竜王戦など、年内の出場停止の処分が下ったわけですが、この件について文春の記事が出ています。これを読むと、何がおこったのか非常にわかりやすいです。ちょっと引用すると、
 渡辺竜王が語る。

「竜王戦が始まってから疑惑が公になれば、シリーズは中断される可能性が高いと考えました。それだけでなく、タイトル戦を開催する各新聞社が“不正”を理由にスポンサー料の引き下げや、タイトル戦の中止を決めたら連盟自体の存続さえも危うくなると思ったのです。そんななかで最悪のシナリオは『疑惑を知りながら隠していたという事が発覚する事だ』と判断しました」

 さすが文春砲、核心をついてますね。主催者様の顔色をうかがいながら、怒りを買いそうな危険の芽は事前に摘んでおく。疑わしきは排除。非常にわかりやすいです。

 ちなみに、三浦九段の言い分はNHKが単独インタビューしています。これによると、
日本将棋連盟は、三浦九段が対局中に席を離れることが多いとして、今月11日に聞き取り調査を行い、実際に選んだ手が将棋ソフトが示した手と似ているという一部の棋士からの指摘をもとに、席を離れた際にスマートフォンの将棋ソフトを使っていなかったかについても話を聞きました。
と、今月11日に本人に聞き取り調査を行ったとしています。そして、
連盟によりますと、この中で三浦九段が、挑戦者として出場が決まっていた竜王戦について、「疑念を持たれた状況では対局できない」と辞退を申し出たとして、休場届の提出を求めましたが、期日までに提出されなかったため年内の公式戦の出場停止処分を決めました。
とあります。

 そして、翌12日に日本将棋連盟が公式サイトに処分を発表しています。
当連盟は12日、三浦九段を2016年12月31日まで出場停止の処分といたしました。
今回の挑戦者の変更については、主催の読売新聞社からもご了承を得ております。 

 え~~っ!なんだって!聞き取り調査をした翌日に、休場届が期日までに提出されなかったため処分!期日っていつよ?

 もうね、11日の聞き取り調査の時点で、三浦九段が竜王戦に出場できる可能性はゼロじゃないですか。その場で休場届を出せばもちろん出場できない。出さなくても翌日処分される。つまり、期日は聞き取り調査をした当日。最初から詰んでます(汗)

 竜王戦第1局を行う日までに休場届が提出されず欠席したら、それなら処分するのもわかるんですけどね。聞き取り調査をしたその日のうちに休場届を出せというのは、どう考えてもおかしい。なぜこうなったのかを普通に考えれば、三浦九段の処分は聞き取り調査の前から決定されていて、期日は後づけの理由なんでしょう。だからこういうおかしなことになる。これは連盟の大悪手ですね。

 ちなみに、竜王戦第1局は10月15・16日(二日制)から最終戦の第7局は12月21・22日まで、10月12日に処分が発表された三浦九段の出場停止期間は12月31日までです。見事にかぶってます。

 これはもう、最初から三浦九段が白か黒かはどうでもよく、主催者様の怒りを買わないように疑いのある人物を排除したかっただけなんでしょう。ようするに、連盟は存続の危機という状況になるのを避けるため、事前に仲間を生贄(いけにえ)にさし出した、ということです。ヤマタノオロチがそんなに怖いか!

 ……って、長い前置きだった(汗)

 今回紹介するのは、「新版 5手詰ハンドブック」です。以前紹介したのと同じシリーズの詰将棋の本です。
イメージ 1


 1手詰で詰み形を覚え、3手詰で3手一組の詰手筋を覚えたら、5手詰で詰手筋を応用、という流れになっているようです。実際に解いてみると、1手詰や3手詰とは雲泥の差で難しいです。初めて解いたときは、最初のほうの問題でも1問解くのに十数分から数十分、後半の問題の中には一晩考えてもわからなくて、あきらめて寝たこともありました。でも、解けたときのうれしさは半端ないですね。間違いも多かったけど(汗)

 全問解いたところで、これは復習しないといかんなと思って、1手詰と3手詰をやり直してみました。そのあと5手詰を解くと、以前よりも短い時間で解けるじゃないですか!ただ、早い段階で初手が見えれば比較的短い時間で解けるのですが、初手から間違っているとなかなか正解までたどり着けない、って感じでした。

 これは復習の効果はあるなということで、1手詰と3手詰をバシバシ解きまくり。詰み形や詰手筋もある程度は覚えてきたかな?というころに再び5手詰をやると、さらに短時間で解けるようになりました。

 「なんとな~く、見たことのあるような形だな。この駒をここに移動させると、3手詰の本に載ってた形のような?それじゃ、初手はここに駒を捨てて取らせて、あとは3手一組で……詰んだ!

 こんな感じで解ける問題も出てきて、いや~楽しい楽しい!1手詰と3手詰が基本になっていることも実感できましたし。

 さらに、復習を続けてから5手詰に戻ると、最初から詰み形が想像できる問題も出てきました。詰み形から逆算して初手まで行って、念のため他の手順も一通り読んで、逆算して求めた手順が正解であることを確認!

 ぬお~~っ!オレ様も上達したぜ!

 こんな感じで楽しんでおります。このハンドブックシリーズの評判がいいのもわかります。良質の詰将棋であることは確かです。