ドキドキ！新年度入り
スマイルプリキュア！は震災を受けて作られたプリキュアということもあって、作品のテーマや方針が最初からはっきりしていました。「震災で傷ついた子供たちに元気になってもらう」、「どんな困難があっても自分たちの力で乗りこえて、未来は自分たちで切り開く」ということが込められた作品でした。いずれ、また大地震がおこることは確実ですし、災害に限らずこの先の人生で様々な困難があることでしょう。こういった、今の子供たちがおかれている状況を考えてのテーマではないでしょうか。
また、歴代のプリキュアシリーズの中でも、特に子供たちに向けて作られた作品でもありました。シリーズディレクターを務められた大塚 隆史 氏は、日ごろからインタビューなどで「チビッ子のため」といったことをよく言われていました。放送開始直前の公式サイトのプレスリリースにも、「視聴者の女の子に、等身大のヒロイン像として…」という一節があります。ターゲットとなる視聴者層は、歴代の中でもかなり明確になっていました。
そのせいか、大きなお友達にはご都合主義に映る場面もありましたが、そういうのは優先順位としては低いことで、もっと大事なことが他にあったわけです。そのあたりのことを見あやまると、スマイルプリキュア！という作品の本質は見えてこないと思います。
ともかく、これらのテーマや方針を最初から最後までブレずに貫き通したことは高く評価したいです。
さて、スマイルプリキュア！の日常シーンはギャグを中心に描かれていました。素直に笑える場面が多くて、毎週見ていて楽しかったですね。主に子供たちに元気になってもらおうという意図ですが、大人たちも元気になれるものでした。「戦闘よりも日常のギャグのほうが力が入っている」という指摘もよく聞かれましたが、それがこの作品の目的の一つでもあるんです。とにかく、元気になってもらうこと、それが大切だったんですね。あの震災で、子供も大人も大きく傷つきました。少しでも早く元気になってもらうことが、スマイルプリキュア！の使命の一つだったと思います。
そして、もう一つ大切なこと。このご時世、生きていく上で様々な困難が、ときには絶望したくなるようなこともおこることでしょう。そんなときこそ「スマイル」で、どんな困難にも立ち向かって、自分たちの未来は自分たちで切り開く！それを教えてくれましたね。
最終決戦は、困難とそれを乗りこえることの連続で描かれていました。ダークプリキュア5…じゃなかった、バッドエンドプリキュアもそうですね。自分をこえる。これは必ずやらなければならないことです。バッドエンドプリキュアたちの出演時間が短かったのは残念ではありますが。まあ、ぶっちゃけ鏡の国ですな（笑）
最終話。鼻水たらして泣きながらでも、やらなければならないこともある！ここが一番力の入った場面だったと思います。女の子にあんな顔させるなよ、って気もしますが、ここが一番大切なところなので。これをテレビで見ていたチビッ子たちが、将来大きくなって、それこそ鼻水たらして泣きたくなるような困難に出会ったときに、スマイルプリキュア！を思い出してもらえればきっと乗りこえられるはず！そんなスタッフさんたちの思いが込められているのではないでしょうか？今のチビッ子たちの未来の彼らへの応援メッセージですね。あれだけインパクトのある泣き顔をされたら、きっと大きくなっても覚えているよね。
まあ、細かいところでは、ジョーカーが謎のままだったとかいろいろあるんですが、そんなことはたいしたことではない。鼻水たらして泣かせることが大事だったんだよ（笑）
次回からは、ドキドキ！プリキュアが始まります。愛と愛からくるドキドキ！キュンキュン！がテーマのようです。が、そう言われてもピンとこないというのが正直なところです。始まってみれば、「こういうことか！」とわかるとは思いますが。スタッフさんも大幅にかわるようで、ますます始まってみなければわかりませんね。今の段階では静かに待つのみです。
ちょっと気になっているのは、公式情報からはプリキュアの人数についての記述が見あたらないことです。単に、私が見落としているだけかもしれませんが。過去作品では、番組タイトルに人数が書いてあるか事前に公式サイトなどに明記されている場合と、初期段階では人数には言及されていない場合の2通りがありました。で、人数に言及されていない場合は、あとでメンバーが増えているんです。スマイルプリキュア！では、先ほどのプレスリリースに5人と書かれていたので、増えないことはわかっていました。今回はどうなるんでしょうね？
あとで増えるとしたら、トランプがモチーフになっていて初期メンバーが4人ですから、どうなるんでしょうね？さすがに、ジョーカーというわけにはいかないでしょう。方法があるとしたら…わかった！ビッグワンだ！って、ジャッカー電撃隊は見てなかったんだけど（古）
